ヤマシタは介護保険成立前から介護用品レンタル事業を行っており、介護保険制度において、レンタルでの介護用品サービスの提供を行うという制度設計にも貢献した会社です。
新しい介護用品を購入する代わりにレンタルを利用することで、使用後に不要となった用具の廃棄を減らすことができます。これにより、廃棄物の処理にかかるコストや環境への負担が軽減されます。また、レンタル用具は、定期的にメンテナンスされるため、製品寿命が延び、長期間にわたって利用されます。これにより、一つの製品が長く使われることになり、新しい製品の投入を減らすことができます。また、製品のリユースを促進し、壊れた部品を修理または交換して再び使用可能にするため、全体としての環境負荷が減ります。
ヤマシタでは、レンタルした介護用品のリユース率を高めるため、耐用年数向上のため、下記の取り組みを行っています。
こうした取り組みにより、ヤマシタにおける介護用品のリユース率(再レンタル率)は90%を超えており、使い捨てられた場合と比較した廃棄物削減量は、年間約6300t(直近3年間平均)に及びます。
適切な温度管理、専用の洗剤使用、洗濯サイクルの最適化などにより、リネン類の耐用年数向上に取り組んでいます。また、リネン類のうち、タオル、シーツにおいては、購入量の6割はウエス(清掃用布製品)として再利用することで、廃棄物の削減に取り組んでいます。
リネンサプライ事業では、エネルギー効率の改善、輸送効率化を通じて、生産量あたりのCO2排出量削減に取り組んでいます。コロナ禍の影響で、2020年から2022年前半まではホテル稼働が激減したことに伴い、生産量が減ったことで数値が悪化しておりますが、観光需要が回復した2023年度は2019年度比8.2%減を達成しました。
具体的な取り組みは以下の通りです。
洗濯工程には、温水を作ったり乾燥の熱源などに多くのエネルギーが必要となります。これらのエネルギーの元となる燃料から排出される温暖化ガス(CO2)を低減するために、「エネルギーの使用効率の向上」および「人時生産性の改善(作業効率の向上)」と「燃料の転換」に取り組んでいます。
「エネルギーの使用効率の向上」については、洗濯後の廃水熱の熱回収や、使用済み蒸気からのエネルギー回収および、乾燥機からの熱回収など、常に最先端技術を導入しエネルギー効率の向上に努めています。「燃料の転換」については蒸気ボイラーの燃料を従来の重油からLNG(液化天然ガス)に変えることにより、燃焼ガスに含まれる温暖化ガス(CO2)の低減を進めています。
また、専用品→共用品化の推進や、生産フローの業務改善、デジタル化、省人化設備導入による「人時生産性の改善」を行うことで、設備の処理能力を最大限発揮させ、稼働時間を減らすことでエネルギー使用効率の向上に繋げています。
リネンサプライサービスは、使用済みリネン製品を回収し、洗濯・修理して再利用するリバースロジスティクスの仕組みが導入されており、輸送の効率が高いビジネスモデルです。
ヤマシタでは配送の動態管理システムを導入し、積載率・1日の拘束時間・顧客の住所・訪問時間、納品所要時間などの項目をもとに、最適なコースで輸送を行うことで、使用燃料の削減を行っています。
介護用品のレンタルは、製品をリユースすることによって、新しい製品の生産に必要な資源(材料、エネルギーなど)を節約します。一つの用具を複数の利用者が使い回すことで、全体としての生産量が減少し、資源の消費を抑えることができます。また、資源の節約により、生産プロセス全体で発生する二酸化炭素排出量を削減することができます。新しい用具を生産するたびにエネルギーが消費され、CO2が排出されますが、レンタルサービスを利用することで、新たな生産を減らし、結果としてカーボンフットプリントの削減に繋がります。
リネンの洗濯に使用する水は主に地下水を利用します。地域の取水量管理基準を満たすだけではなく、限られた資源を有効に使用する為、節水にも取り組んでいます。また、冷たい地下水を作業場の冷房に直接使用して、エアコンの電気使用量を削減しています。さらに、冷房に使った後の温かくなった地下水を洗濯水として使用することで、本来洗濯水の温度を昇温させるために必要なエネルギーを節約できています。また、洗濯排水など工場内の生産活動で発生したすべての「排水」は場内の排水処理設備にてろ過、中和、生物処理されており、定期的な水質チェックなどで常に基準値内に管理され排出されています。
レンタル契約が終了し、返却された介護用品の洗浄・消毒に「電解水」を使用しています。水と塩を電気分解することで酸性水とアルカリ性水の2つに分離されます。アルカリ性水を清拭(汚れ落とし)に、酸性水を消毒に使用しています。一般的な洗剤も補助的に使用しますが、洗浄消毒工程の大半は、電解水を用いています。
材料が水と塩だけなので化学的に生成された洗剤・消毒剤に比べ、作業者に対しても、排水後の環境に対しても負荷が限りなく少ない作業プロセスとなっています。また、洗浄消毒後の介護用品をレンタルされるご利用者にとっても、より安心できる洗浄消毒方法であると考えています。
マットレスなどの消毒にはオゾン(O3)を用います。具体的には、密閉した消毒室内にオゾンガス発生装置によってオゾンを充満させ、一定時間放置することによって消毒を行います。消毒完了後、待機中に放出されたオゾンはすぐに分解され酸素(O2)に変わるため、大気汚染の心配がありません。優れた消毒効果を発揮します。安全で確実な消毒方法として医療機関や消防、飲食業界でも活用されている消毒方法です。
安全
中和の必要がない/
残留毒性がない/酸素にもどる
強力
フッ素に次ぐ強い酸化力で
菌を分解する
高効率
酸素を原料とすることによる
低ランニングコスト