ロビーはもちろん、どの客室からも富士山と駿河湾、遠くに広がる伊豆の山並みという
静岡屈指の風景をワイドスパンのガラス越しに眺めることができる日本平ホテル様。
「風景美術館」というコンセプトを掲げるこのホテルでは、
朝から夜までさまざまに姿を変える自然を楽しめるよう工夫がこらされています。
長年にわたりお取引をさせていただいている日本平ホテル様にヤマシタに感じている導入メリットについて、久野取締役総支配人(現:取締役副社長総支配人)と石田統括本部長(現:取締役副総支配人)にお話を伺いました。
(聞き手:ヤマシタ代表取締役社長 山下和洋、静岡エリア営業責任者 山西智晴)
山下:日本平ホテル様とは祖父の代から30年以上にわたりお取引をいただいています。特に2012年のリニューアル以来「風景美術館」というところに力を入れて国内外からたくさんのお客様を招かれていますが、くつろぎの時間を作る上でどのようなこだわりを持っておられるのでしょうか。
久野取締役総支配人(以下、久野氏):
これだけの眺望がある場所です。お客様が滞在される間、どれだけくつろぎの時間を長くお過ごしいただけるかということを考え、すべてを設計しています。80室という数だからこそできる、お客様によりそったサービスをすることはもちろんですが、14時チェックイン・12時チェックアウトというロングステイを目指したオペレーションもこの風景を楽しんでいただくことを考えてのことです。当然ながらアメニティも上質なものである必要があり、今もヤマシタには新しい相談をしているところです。
山下:ありがとうございます。2012年のリニューアル時に久野様が総支配人として就任されて、ヤマシタと取引を決められた決め手はどこにあったのでしょうか。
久野氏:私はかつて浦安ヒルトンに勤務していたのですが、そのときの同僚が現在、御社の取引先である浦安ブライトンで副総支配人に就任しています。ヤマシタの評判を聞いたところ、仕事ぶりやクオリティにおいて信頼できると太鼓判を押されました。そこで安心してお任せできると判断しました。
山下:実際に取引させていただいて、いかがでしたか。
石田統括本部長(以下、石田氏):
私はリニューアル前から働いていまして、新規オープン当初は宴会サービスのマネージャーを務めていました。業界経験の長いベテランスタッフもオープンを体験するのは初めてで、当然ながら現場は非常に混乱しました。リネンやクロス、ナプキンの在庫も計算し発注をしますが、想定通りにならないことが非常に多く、営業の山西さんには柔軟な対応をしていただき、随分助けていただきました。また、私たちの目が行き届いていないところも「この在庫数だと足りなくなりそうです」などと指摘していただき、事なきを得たということが何度もありました。そうでしたよね、山西さん。
山西:サービスに穴を開けるということは、絶対にあってはならないことです。それは日本平ホテル様の皆様と同じ気持ちでした。当時は帰宅してからも翌日のことが気になって仕方ありませんでしたね。気持ちは完全に、ホテルの社員でした。
石田氏:本当に申し訳なかったのですが、やむを得ず夜中に電話で相談したこともありました。「明日、工場を見てきます」「明日は配送がないのですが、私の車でなんとかします」といった対応に救われました。
久野氏:新規オープンが忙しいのは、段取りが非常に想定しづらいんですよね。ホテルにとって一番大変なタイミングです。今ならそんなに時間がかからないことでも、スタッフも慣れていないため想定外のことがたくさん起こるんです。
山西:深夜まで翌日のパーティーの設営をなさっていたこともありましたね。そうしないと次の仕事に支障が出る。そうした緊張感のなかで皆様が必死で向き合っているなかで、私もいつしか同じ気持ちになっていました。こうした関係性で仕事をさせていただけることが、モチベーションにもつながっていました。
石田氏:そのおかげで、私たちはお客様のおもてなしに集中することができました。あのときは本当に助かりました。
石田氏:ヤマシタは、提案からして他の企業とは違いますね。たとえば、こちらの要望をそのまま実現すれば利益率は高いはずなのに「このほうが、ホテルとしてはコスト面でメリットがあるのではないか」といった提案をしてくれます。一緒に成長する、良くする提案をしてくれる仲間のような存在だと考えています。
山下:ありがとうございます。我々としても、目指すところはパートナーです。ホテル様の業務の一部をただ委託させていただくだけでなく、専門性を高めて期待を上回る提案をしたいと考えています。
石田氏:私たちも相当、無茶を言っております。製品としてないことがわかっていても、まず相談させていただくんです。それでも「100%応えるのは難しいのですが、こういう形ではどうでしょう」「工場のオペレーションを踏まえれば、増員で対処できます」といった提案をしてくれます。テーブルサイズに合わせて、VIP専用のクロスを作っていただいたこともありました。そういえば「テーブルクロスの角を丸く切って、お客様がスムーズに席を立てるようにしましょう」という提案をいただいたこともありました。
山西:いえいえ、それは私ひとりのアイデアではありません。石田様が普段から情報共有をしてくださっていたからできたことです。打ち合わせの際に「テーブルクロスが長く垂れていると、つまずく方がいらっしゃるんです」とお話を伺ったからこそ、私もいろいろと調べたり、専門の方に相談したりしながらご提案することができました。明確な課題を頂けたからこそ、提案に繋がりました。
久野氏:柔軟な発想ですばらしい対応をしてくださいますよね。
山下:ありがとうございます。安定供給についてはいかがですか。
石田氏:もう安心感しかありません。オープン当初の混乱期から今に至るまで、ものがないことでお客様にご心配をかけるようなことは一切ないと信じていますし、お客様についての情報共有をすると必ず返してくださる点についても信頼しています。
久野氏:日本平ホテルでは、お客様アンケートを積極的に実施しています。お褒めの言葉もたくさんいただくなか、改善すべきポイントについては一個一個取り組んでいくようにしています。6年間続けてだいぶ良くなってきたと思うのですが、まだまだ続けていくつもりです。リネンもそのひとつです。
石田氏:そうですね。先日もお客様から「東京や大阪を行ったり来たりしているけれど、ゆっくり時間を使う贅沢は日本平ホテルが一番。また来るよ」とおっしゃっていただけました。私たちは風景美術館というコンセプトを掲げたロングステイホテルです。お部屋で過ごしていただく時間が非常に長いので、それだけヤマシタにお願いしているリネンが重要になってくるのです。十分なおもてなしをしたい一心で、少々無茶なご相談もしてしまいますが。
久野氏:今、新しくご相談しているのはバスローブとナイトウェアーでしたね。今のものでもお客様にご満足いただけてはいるのですが、細かなご要望にひとつひとつ応えて「常に新しく変わっていくホテル」でいたいと考えています。期待していますよ。
山下:嬉しい限りです、ありがとうございます。ミッションを果たすため、力を尽くします。